「ウリハッキョ」自主上映・日本公式ブログ

「ウリハッキョ」ー北海道朝鮮初中高級学校での日常を描いたキン・ミョンジュン監督のドキュメンタリー映画(2006年釜山国際映画祭雲波賞受賞作品)の日本自主上映・公式ブログです。

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「シネマコリア」より『ウリハッキョ』Review

※以下、韓国映画の情報発信・上映・配給を行う非営利団体「シネマコリア」サイトより許可をいただき記事を転載します。

☆ ☆ ☆

『ウリハッキョ』 http://www.urischool.co.kr/
Text by カツヲうどん
2007/5/5

 日韓現代史の象徴でもある「在日」。北海道に実在する民族学校を舞台に、監督と学校の人々の3年5ヶ月を描いた異色のドキュメンタリー。なお、在日コリアンは朝鮮学校を「ウリハッキョ(私たちの学校)」と呼ぶ。

 私がこの作品を観終わった時、最初に疑問に思ったのは、監督のキム・ミョンジュンは韓国で暮らす在日なのか?ということでした。さっそく調べてみましたが、どうやら在日ではない様子。次に思ったのが「なぜ『在日』をテーマにしたのか?」ということでした。一般的に、韓国人が自ら進んで「在日」をテーマに選ぶには、何か大きなきっかけでもない限り、ちょっとあり得ない選択肢と思えたからです。そこで、さらに調べてみると、ちょっと意外で、運命的な因縁が映画の背景には見えてきたのでした。簡単にまとめると、この『ウリハッキョ』という作品は、キム・ミョンジュン監督が、急逝した妻であり映画監督であった故チョ・ウンリョンの企画を引き継いだ作品であり、この映画のテーマとはまた別の「夫婦の絆」というドラマが裏にはあったのです。

 元々、この映画を企画していた女性監督、チョ・ウンリョンは、雑誌記者から始まって、アメリカで映画の勉強をしてから監督として活動を始めたアクティブな経歴の持ち主。韓国の若手クリエイターとして将来を嘱望されていました。彼女が「在日」というものに関心を持ったのは2000年の8月。偶然ある新聞で「総連vs朝総連」というタイトルの短い記事に接し、同時期にテレビ放送された民族学校に関するドキュメンタリーを見たのがきっかけだったといいます(*)。以来、彼女は「在日」というテーマに使命を持って取り組んでいて、その第二作目になるはずだったのが、この『ウリハッキョ』でした。しかし、チョ・ウンリョンは2003年に不慮の事故で亡くなり、その遺志を引き継いだのが、夫であり撮影監督だったキム・ミョンジュンだったのです。

(*) チョ・ウンリョン監督の追悼映画祭パンフレットに掲載された監督遺稿の記述による。
 映画は全編を通して底抜けに明るく、力強く生活する「市井の人々としての在日」を描いていて、口先だけのイデオロギー論だとか、似非反省論だとか、幼稚な政治論争の叩き台にこの作品がなることを拒否しているようにも見えます。膨大な素材を抱えた作品だったゆえ、こういう方向になったという解釈も可能でしょうが、一韓国人から観た「在日」の一面を描いたスケッチと考えれば、なかなか優れたドキュメンタリーになっています。

 もちろん、民族学校を巡る様々な問題もここかしこに挿入されていますが、日本のこの種の作品でよくあるような、深刻でドロドロした雰囲気は皆無です。これはたぶん監督が民族学校の普通の日常、普通の人間関係を描くことに徹したからでしょう。しかし、映画の中では、生徒たちの明るい表情が連続しているからこそ、一瞬垣間見せる複雑で暗い表情や発言が、テーマの複雑さを表現しているともいえるのです。

 キム・ミョンジュンのチームは、長い撮影の間に、かなり学校関係者と親しくなったようで、日本ではちょっと観る事が出来ないシーンが一杯です。さすがに万景峰号に乗って北に行った時のエピソードは、学校の生徒に撮影を委託してはいますが、そこで描かれた情景もまた、日本の大げさな北朝鮮報道などでは観られない、貴重なものです。ここにおいて、民族学校の生徒たちが祖国=異国の風景に驚き、日本語と朝鮮語を混ぜて語っているところは、この作品のテーマをもっとも濃縮して象徴していたシーンに思えました。

 歴史問題をドキュメンタリー映画の素材に選んだ場合、どうしても際どいものでないと評価を受けにくい今の日本では、この『ウリハッキョ』に対して真逆な評価もきっとあるでしょうが、私がこの作品を観終わった時、日本人として強く感じたのは、この題材と同じものを日本人自身もまた撮るべきでもあって、被写体となった民族学校の人々と家族もまた、心の決して明かされることのない部分でそのことを望んでいたのでは?という想いでした。

※転載元URL
http://cinemakorea.org/korean_movie/column/column180.htm
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  1. 2007/05/31(木) 10:20:25|
  2. 観客が見た「ウリハッキョ」
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